『成功のコンセプト』

三木谷社長が成功の秘密を語る


楽天の社長である三木谷氏が書き下ろした
楽天株式会社の成長の軌跡とその秘密である。


本の中で重要だと思われる
文面を簡単にまとめてみた。

<常に改善、常に前進>
人間の力には、3つの種類がある。
実力と能力と潜在能力だ。
潜在能力の10%程度しか使っていない人がほとんどで、潜在能力を引き出そうと思っている人もほとんどいない。
残りの10%の潜在能力を引き出せば能力は2倍になる。
ビジネスの舞台で自分の能力を開花させるには、日々改善するという意識が何よりも役に立つ。
天才でなくても日々改善を続けていけばどんな巨大な目標でもいつかは達成できる。

<Professionalismの徹底>
仕事を人生最大の遊びにできれば、誰でも有能なビジネスマンになれる。
三木谷が考えるプロフェッショナルとはつまりそういう人物である。
1日24時間、1年365日、どこにいて何をしていても仕事のことを考えている人のことだ。
どんなつまらない仕事でも、それをどう感じるかは取り組む側の問題であろう。
仕事を面白くするのは、仕事の内容そのものより仕事の目的である。
どんな仕事であれ、目的を見つけることはできるはずで、
目的意識さえあれば、それを楽しむことができるはずである。

<仮説→実行→検証→仕組化>
常に進歩するには常にチャレンジが必要である。
仮説・実行・検証という行動形式は、そのための強力な武器である。
良い仮説を立てるには「そもそも論」を考える必要がある。
自分がやっていることの意味はなんのためにあるのか。
その本質が見極めることが大事である。
また、良いアイデアを思いつき、それが本当に成功するのか否かを
見極めるフレームワークが必要になってくる。
フレームワークは他のビジネスや国で成功しているものからヒントを得るのが良い。
そして少しでもピンときたら、毎日実行してみて、それが成功したのか検証するのだ。
そして、成功体験を組織全体にいきわたらせるために仕組み化していくのだ。

顧客満足の最大化>
顧客に支持されてこそ、ビジネスは続けることができる。
そして顧客支持の拡大こそがビジネス拡大につながっていく。
顧客満足度が、あらゆるビジネスが目的とすべき指標であることは議論の余地がない。
いついかなるときも自分達がやっていることは顧客のためだということを忘れてはいけない。
そして顧客満足度と共に最近重要だと言われている従業員満足度だが、
これは当事者意識を持てば仕事の環境云々は問題ではなくなる。
そして当事者意識があれば人は誰でもプロフェッショナルになれるのだ。

<スピード!スピード!スピード!>
仕事は速くやるほど成功の確率は高まる。
そして仕事のスピード感は、当事者意識と深い関わりがある。
当事者意識を持って仕事をすればスピードは自然に上がる。
それは当事者意識がモノの見方を変化させるからである。
様々な分析事項のなかで、現在から将来に向かう時間軸も俯瞰で眺めれば、
スピードの大切さが文字通り一目瞭然に見てて来るはずである。
そして楽天ではスピード重視で完成度をある程度犠牲にしても、
とりあえずまっさきに動き、後から修正していくという
方法論を取り入れることでベストを達するまでの時間を
最大限に短縮しているのだ。
個人がスピードアップする具体的な思索は目標設定である。
目標を立てれば、自ずとそこまでの道のりが見えてくる。
そして目標が大きければ大きいほど、やらなければいけないことの多さに気づき、
スピードの大切さを身に沁みて実感するであろう。


三木谷氏のメッセージから、
成功の5つのコンセプトは各々がバラバラに成り立っているようだが、
5つが密接に絡まりあって一つの「成功のコンセプト」であることを感じた。
それと同時に5つのコンセプトは並列ではないことも感じた。
一番大事になってくるのはProfessionalimの徹底だろう。
『当事者意識があれば人は誰でもプロフェッショナルになれるのだ』
この言葉が一番の肝である。
結局、人は楽しくないことをやっても夢中になれないし、
そこから良いものを生み出せるはずもない。
仕事の全てが楽しいものではない。
しかし、取り組む姿勢によってはどんなことでも面白くなる。
当事者意識が全ての鍵を握ってくるのであろう。
そうすると顧客の姿が見え、満足度をあげるためにサービスの改善を図る。
改善するために仮説→仕組化を考える。
さらなる改善のためにはそのスピード感が重要になってくるという図式であろう。


驚くべきことに本著で伝えたいとされるメッセージは
島田紳助氏著の『ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する』
で伝えられているメッセージと驚くべきほど酷似している。


ビジネスの本質はこの辺にあるのではないかと
少しずつ確信を持ってきている。。


成功のコンセプト

成功のコンセプト